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Vol.222 大成功の蘇民祭ポスター
報じられている通り、1000年以上の歴史を持つ「蘇民祭」のポスターがセクハラだとしてJR東日本が掲載を拒否した。理由は、ポスターに大きく撮影されている男性の髭と胸毛が濃いことだという。
<蘇民祭ポスター>
居酒屋でそのニュースが流れると、酔っぱらいサラリーマンが叫んだ。
「あれがセクハラだと言うんなら、電車ん中で化粧したり鼻毛を抜いている女のほうがセクハラじゃないか! どうなんだ、JRA!!」
JRとJRAを間違えているところがやはり新橋の酔っぱらいだが、続いてレポーターが、佐藤さんという写真の人物に会ってインタビューをしている映像が流れた。がたいのしっかりした、いかにも“大和魂”といった感じの男。 こんな騒動にはきっとビクともしないだろうし、むしろこの上ない記念になったことだろう。
そもそも「祭り」は、日常のつまらない常識とは無縁の世界のもの。外野が何を言おうが関係ない。1000年以上もの伝統を誇る祭りが、通りすがりの人間に媚びる必要など全くない。
彼には、おめでとう!と賛辞を送りたいし、この騒動のおかげで、ポスターを1000枚や2000枚張るよりも、ずっとインパクトのある蘇民祭の宣伝になったはずだ。これで見物客が増えることはあっても、減ることはありえない。関係者の方、心配は無用だ。
あのポスターは大成功だったのだ。
松井政就
'08.1.9
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松井政就 (まつい・まさなり)中央大学早退。主な作品『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 『経済特区・沖縄から日本が変わる』 『ディーラーホースを探せ』(光文社) 『神と呼ばれた男たち』等。作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスコンサルタント、大学講師などを務める。
http://tjklab.jp/ |
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