Vol.223 憤怒のホモチカン野郎
仕事が終わり、お茶でもしようと思ったら友達から電話がきて、すぐ近くにいるから夕飯を食べようということになり、いつものトンカツ屋で食べた。お銚子4本にビール2本と、いつもより飲み、気分よくなったところで地下のバーに行き、更にカクテルを飲んだ。
たまたま居合わせた女たちと仲良くなり、品の無いジョークで盛り上がるが、気づけば10時過ぎ。 「明日早いから」と、心にもないセリフでバーを出たのはたんに手持ちが尽きたからだが、その後友達と分かれて乗った総武線でトンデモナイ事件が待っていた。
ホームに行くと、自殺未遂の影響で電車は遅れているとのこと。やっと来たのは超満員。誰も下りない満員車両にこれ以上どうやって詰め込むのかというほどぎゅうぎゅう詰めの、まるでスーパーの一袋詰め放題にチャレンジ中のおばさん状態。
すると、すし詰め状態の電車の中で、ぼくの股間に何者かの手が伸びてきたのだ。
「何だこりゃ?」と手で避けるようにすると、今度は手を握ってきた。ギョっとして見ると、一見してイケメンの30歳くらいの男が薄笑いを浮かべて目を合わせてきた。
ホモのチカンである。
一瞬、怒鳴りつけてブン殴りたい思いに駆られたが、そんなクソ野郎のせいで犯罪者扱いにされるのは大損だと気づき、無視して手を引っ込め、背中を向けようとしたが、あまりの混雑に向きを変えられない。その間にもクソ野郎の手は再びぼくの腰のあたりに強引に伸びてきた。
もう防ぎようがない!と思った直後、電車は次のホームに停車した。助かった。そう思い、「すいませーん、降りまーす」とぼくは大声を上げて電車を降りた。
すぐに友達に電話し、ホモ野郎にひどい目に遭ったと報告すると、友達の返事は
「もしも相手が女だったらお前どうした? そのまま乗ってたか?」
松井政就
'08.1.16
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