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Vol.253 パンダだけじゃない 〜上野動物園常連の言い分〜
中国の胡錦濤国家主席が来日し、福田首相との会談の中でパンダ2頭のつがいを年間1億円で貸すと表明した。両国間の友好の証、平和の象徴と言われているが、どうも日本政府が頼んだようだとニュースは報じていた。
上野動物園のリンリンが死んでしまったことは、そりゃ悲しい。ぼくは上野動物園の年間入場券を所持し、ほぼ毎週行っているが、行くたびに一応パンダ館の前を通っていた。いつもいたリンリンにもう会えないのは悲しいが、だからといって、上野動物園の魅力が半減したかのように思われるとしたら、それは違う。
上野動物園には自己主張盛んな象もいるし、人間をバカにする利口な猿もいる。柵によりかかってイチャイチャしているアベックにおしっこをぶっかける曲者のヤギもいるし、山月記を思わせる睨みの効いた虎もいる。関係ないが、全然仕事が出来なかった元上司に顔がそっくりなゴリラもいる。決してパンダだけの動物園ではないのだ。
もしもパンダが友好の証、平和の象徴だと言うなら、中国が日本に向けているミサイルを下げ、チベットを解放し、台湾の自由を認めることはもちろんのこと、本当に平和国家になった暁に、その記念として大々的に提供してもらうほうが、ずっと筋が通って望ましいやりかただと思う。それが上野動物園の一常連としての言い分だ。
PS.NHKマイルCは忙しくて研究時間が足りず、道悪適性とタイムで<ダノンゴーゴー、ブラックシェル>2頭固定の流しで少し味見するに留めてみた。
これは当たったけど、
こちらは惜しかった。
松井政就
'08.5.11
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松井政就(まつい・まさなり) 作家。中央大学早退。主な作品『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 『経済特区・沖縄から日本が変わる』 『ディーラーホースを探せ』(光文社) 『神と呼ばれた男たち』等。作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスコンサルタント、大学講師などを務める。
http://tjklab.jp/ |
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