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Vol.256 気持ち悪くないのかな 〜大学入学式に出席する親〜
両国国技館の末席から朝青龍と白鵬の一触即発のシーンを目撃した後、琴欧洲の優勝パレードをわくわくしながら追いかけ、家に帰ってオークスのVTRを見て、悔しさの余りすぐに眠り、朝になると「大学の入学式に親が大勢付いてくる」というニュースが報じられていた。
中には、親が多すぎて、2度に分けて式をする大学まであると知り、仰天し、オークスの悔しさがどこかに飛んでいってしまった。
そう言われて思い出したのは去年の春。
用事があって都内の某A学院大の入学式の現場にたまたま居合わせたのだが、新入生に付き添っている親がバカに多かった。100人や200人ではない。膨大な数だ。しかもなぜか泣いている親が目立った。
その涙の理由を、目にゴミが入ったからだと信じたかったが、よほど嬉しいかよほど悲しくなければ、やたらに涙は出てこない。
ぼくが大学生の頃は、女子新入生が面白半分に親を連れてくることはあったけれど、男子新入生の場合は希有なことだった。
大学とはそういう所だったことを思うと、まさに隔世の感がある。
問題は「学生が親を連れて行きたがる」のか、或いは「親が付いて行きたがる」のか、どちらなのかだ。
前者の場合はロクでもないと思うが、後者の場合はあまりの気持ち悪さに、そういう人とは関わりたくない気持ちがする。
松井政就
'08.5.26
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松井政就(まつい・まさなり) 作家。中央大学早退。主な作品『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 『経済特区・沖縄から日本が変わる』 『ディーラーホースを探せ』(光文社) 『神と呼ばれた男たち』等。作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスコンサルタント、大学講師などを務める。
http://tjklab.jp/ |
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