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Vol.274 一日三度の職務尋問 〜どうしてぼくばかりなのか?〜
買い物があって新宿に出かけたが、「ある事情」によってなかなか目的地に到着できなかった。汗はダラダラ流れ出ていた。歩いていくとヨドバシカメラが見えたので中に入って涼もうと思った。
その時である。
「ちょっとすみません」と、二人の男に両脇を固められた。重装備をした警官だ。「キミ、ここで何してるの?」
見たこともない若い警官に「キミ」呼ばわりされる筋合いはない。
「何だその口の利き方は?」
と反抗したがあっさり無視され、両脇を捕まえられ、ヨドバシに入るのを阻止された。
入り口に立っていたヨドバシの警備員は突っ立っているだけで助けようともしない。「ふざけるな! ヨドバシカメラ!」と叫びたいところだったが、考えてみれば無関係である。仕方なく警官の職務尋問と持ち物検査を受ける羽目になった。その間、通りゆく人々の白い目にさらされ、店員の迷惑そうな目線の攻撃を受け、ああいうヤツがナイフ持ってんだよという何も知らないガキの罵声を浴びた。
「どんなに探したってえんぴつとノートしか出てこないよ」と言ったのに、警官はぼくの鞄をあっちこっち探した挙げ句「失礼しました」と言ってぼくを解放した。
犯罪防止に必死なのは理解はするものの、ぼくには深刻な事態であった。
なぜなら、この日三度目の職務尋問だったからだ。冒頭で書いた「ある事情」とは、その日すでに受けた二度の尋問の事である。なぜぼくばかりが疑われるのか? 頭に来たので、何を判断基準に捕まえているのか聞いてみると、「見かけです」という答えが返ってきた。
その日は下記のような格好をしていた。
この忌々しさを関屋記念にぶつけたい。
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関屋記念 予想
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◎ 3番トップオブツヨシ
○11番リザーブカード
▲12番マルカシェンク
△ 8番マシュリク
△ 5番タマモサポート
松井政就
'08.8.9
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松井政就(まつい・まさなり) 作家。中央大学早退。主な作品『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 『経済特区・沖縄から日本が変わる』 『ディーラーホースを探せ』(光文社) 『神と呼ばれた男たち』等。作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスコンサルタント、大学講師などを務める。
http://tjklab.jp/ |
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