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Vol.303.ここからが本当の勝負
〜2008グランプリファイナル・女子シングル 浅田真央VSキムヨナ〜


 フィギュアスケートのグランプリファナルが終わった。注目の女子シングルでは、ライバルのキムヨナ選手を下して浅田真央選手が3年ぶりの優勝を果たした。2.2点差の激戦だった。
 ぼく自身の目とプロのジャッジの評価との整合性をとるため、試合後に
公式ジャッジ内容を入手したところ、そこには厳しいジャッジが記されていた。

 演技構成点では約半数のジャッジがキムヨナ選手に高い点をつけ、真央選手にアドバンテージがあるはずのジャンプでも、キムヨナ選手のGOEが上回っていたのだ。真央さんが跳んだ
「トリプルアクセル+ダブルトーループ」のコンビネーションよりも、キムヨナさんの「トリプルフリップ+トリプルトーループ」のコンビネーションの方がGOEが0.6点高く、ダブルアクセルでも同様だった。

 韓国開催ということもあり、ホームジャッジの可能性も指摘されたが、大技に挑戦した真央さんの演技と、完成度で勝負したキムヨナさんの演技は結果的にそう評価された。
 真央さん自身もすでにジャッジを分析しているだろう。今回の勝利にあくまで慎重に喜びを表現しているのはそのせいかもしれない。自分に厳しい選手だか ら、この結果を正面から受け止め、新しい課題として取り組んでいくだろうし、そうすることで今回の勝利の本当の価値が生まれてくる。


 もちろん、大変な努力の末に取り戻した3年ぶりのファイナル金メダルは本当によかった。 だからこそ、
今回は「おめでとう」と言うだけでなく「ここからが本当の勝負だよ」と声をかけたい

'08.12.14


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