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Vol.309 我がしつこさ、相撲協会を寄り切る
〜新しい宝物がやってきた〜
新聞には時々写真が掲載され、キャプションに付け足して「ご希望の方にはこの写真をお分けします」と書いてある。つまり、気に入った人には大焼きの写真にして売ってくれるというサービスがある。
とくにスポーツの名シーンなどでそのサービスがあり、ウチにもオグリキャップや貴乃花のパネルが飾ってある。
その中でとりわけ大きいのが朝青龍のパネルだが、これは(多分)ぼくしか持っていない品物だ。なぜかというと、本来は販売しないはずの写真を、相撲協会から特別許可をもらって大焼きにしてもらった品だからだ。
それは昨年の朝日新聞に掲載された写真だった。秋場所の取り組みをカメラマンの遠藤真梨さんが撮影したもので、朝青龍の人柄がよく表れた名作と直感した。
いい写真だと思って紙面を取ってあったのだが、何度も取り出して見ているうちにどうしても本物の写真が欲しくなって朝日新聞に電話した。ところが相撲協会から販売許可の無い写真なので売ることが出来ないという。
仕方なく諦めたのだが、数日後朝日新聞から電話が掛かってきて、
「相撲協会が許可してくれました!」
ダメモトで相撲協会に掛け合ってくれたところ、死ぬほどの朝青龍ファンということで特別に許可しましょうと返答があったらしい。(たぶん、ぼくのしつこさにうんざりしたのだろう)
吉報にラーメン屋の中で「よっしゃ!」とガッツボーズをした。
数日後、待望のパネルが届いた。
<遠藤真梨さん撮影>
長年応援している朝青龍がこんな顔を見せたことは記憶にないし、今後も二度とないだろう。 ぼくは東京場所はほぼ毎日のように見に行くのだが、朝青龍が負けた取り組みであるにもかかわらず、この一番がもっとも好きな取り組みの一つだ。 新しい宝物としよう。
松井政就
'09.1.18
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松井政就(まつい・まさなり) 作家。中央大学早退。主な作品『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 『経済特区・沖縄から日本が変わる』 『ディーラーホースを探せ』(光文社) 『神と呼ばれた男たち』等。作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスコンサルタント、大学講師などを務める。
http://tjklab.jp/ |
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