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Vol.329 大川慶次郎なら言ったはず 〜NHKマイルCの不可解な人気〜
大荒れとなったNHKマイルカップ(G1)。
ぼくは優勝したジョーカプチーノからの流し馬券で的中することが出来た。ファルコンSからずっと本命にしてきた馬だったので、余計にうれしかった。
その日は国技館で相撲を見ていたのだが、ちょうど取り組みの合間にレースが始まったので、隅に行ってラジオで聞き、ジョーカプチーノが先頭で抜け出して来たときには「おおー!」と声をあげてガッツポーズをしてしまい、国技館ではガッツポーズは禁止だったと反省した。
ところで今回のNHKマイルカップでは、人気が不可解だった。16番のブレイクランアウトが1番人気になっていたからだ。
この馬は前走のG3戦(共同通信杯)を天才武豊が乗って、目の覚めるような脚で勝ったが、それから3ヶ月の休養明けでの出走だった。
だから余計に、なぜそのような馬が1番人気になるのか不思議でならなかった。強い勝ち方をしたと言っても、しょせんG3で相手も弱かったし、それを遡る暮れのG1・朝日杯では3着に負けている。しかも先着した2頭は先日の皐月賞で優勝馬の相手にならなかった。
それらに負けた馬が、3ヶ月の休み明けでG1にぶっつけで挑戦してきた時、ぼくの頭に次の言葉が浮かんだ。
『大川慶次郎なら無印と言ったはず』
負けたのは武豊のせいではない。G3馬がぶっつけ本番で勝てるほど、やはりG1は甘くなかったということだろう。
今回のNHKマイルカップをぼくは幸い的中できたが、これはぼくが的中させたというより、大川慶次郎が当てさせてくれたのだと思った。
松井政就
'09.5.11
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松井政就(まつい・まさなり) 作家。阿智中学校早退。主な作品『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 『経済特区・沖縄から日本が変わる』 『ディーラーホースを探せ』(光文社) 『神と呼ばれた男たち』等。作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスコンサルタント、大学講師などを務める。
http://tjklab.jp/ |
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