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Vol.332 泥んこ、真っ黒けの田植えダービー
ぼくはこの頃寝不足で、体調が悪く、目覚めてみたら夕方という危険もあると思い、前日土曜日に浅草ウインズであらかじめ下記の3連単を買っておいた。
前日から馬場悪化の気配が濃厚だったので、切れ味を身上としない皐月賞1,2番人気のロジユニヴァースとリーチザクラウンにはチャンス十分と見て、本命のアンライバルト(18番)との3頭の3連単を買った。
皐月賞でぼくはロジユニヴァースを「1強」として推奨し、負けたら出家しようかと思うほど自信があった。結果的には歴史的追い込み競馬となり、先行したロジユニヴァースは14着に大沈没。すわ、出家か!?
と思ったが、別の知り合いが出家していた(→知っている人だけ笑ってほしい)。
さて当日。
ぼくが東京競馬場についたとき、競馬正門前駅から競馬場までの渡り廊下もびしょびしょになるほど、まるで台風のような豪雨。
パドックは池、馬場は田んぼ状態。 JRAのオジサン、オバサンがカッパを着て馬場の手入れをする姿は、もはや田植えにしか見えない。
午後の芝レースでも完全に先行馬の独壇場。ますます1番12番は無視できなくなった。
本命のアンライバルドは絶好調だという。悪い馬場も苦にしないと言われている。それにダービーで1番人気になった皐月賞馬は過去10年で一度も消えていない。
1番12番18番の3頭で勝てる。ぼくはそう確信した。
もちろん、人気の2番、17番、そして我が(?)ジョーカプチーノなども押さえたが、勝負は1番12番18番の3頭と決め、下記の馬券を買い増した。
同じ馬券があるのは、この3頭で決まると思うたびに1枚ずつ買い増していったためだ。 なお、発走までの間にあと10回ほど、この3頭で決まると思ったので、同じ馬券が10枚以上ある。
レースは我がジョーカプチーノが玉砕の逃げを打ち、不良馬場としては(たぶん)歴史に残るハイペースで通過。 そして直線を向いて12番のリーチザクラウンが抜けてきたのを更に内から1番のロジユニヴァースが抜かしていく。
アンライバルドはどこだ?と探すと、泥んこの馬場の真ん中で真っ黒けになって田植えをしている。 こうしてぼくの第76回日本ダービーは終わった。
レース後の着順を見て思った。皐月賞1,2,3着の追い込み馬が12,13,14着に沈み、一方、皐月賞で13,14着だった先行馬がダービーで1,2着だったということは、今年の2冠は全く別のレースだったということなのだろう。
いろいろと学ぶことの多いダービーだった。
またがんばりたい。
松井政就
'09,6,1
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松井政就(まつい・まさなり) 作家。阿智中学校早退。主な作品『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社プラスアルファ新書)『賭けに勝つ人
嵌(はま)る人』(集英社新書) 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 『経済特区・沖縄から日本が変わる』 『ディーラーホースを探せ』(光文社) 『神と呼ばれた男たち』等。作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
http://tjklab.jp/ |
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