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Vol.337 「大先輩」と「普通の先輩」はどう違うのか?
昔同じ会社だった知り合いから食事に誘われた。
指定されたレストランに行くと、知人の横に見知らぬオヤジがいた。 どうしても紹介したいということで、会社の「大先輩」を連れてきたのだという。
ならば最初からそう言えよと思いながらも、顔だけはニッコリしておいた。
食事をする前から知人は興奮し、そのオヤジのことを盛んに「大先輩」と表現した。ビールを飲む時も料理を食べる時も、そのオヤジのことを「大先輩」「大先輩」と持ち上げた。
しかし、どう見ても普通の先輩にしか見えない。
そこでぼくはこう訊いた。
「大先輩と普通の先輩と、どう違うの?」
一瞬、時が止まり、知人は“大先輩”と顔を見合わせ、絶句した。
すると“大先輩”が口を開き、「彼は他人のことをやたらに大先輩と言うんですよ」と、苦笑いした。
さすが“大先輩”だけに一枚上だった。
松井政就
'09,7.1
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松井政就(まつい・まさなり) 作家。阿智中学校早退。主な作品『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社プラスアルファ新書)『賭けに勝つ人
嵌(はま)る人』(集英社新書) 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 『経済特区・沖縄から日本が変わる』 『ディーラーホースを探せ』(光文社) 『神と呼ばれた男たち』等。作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
http://tjklab.jp/ |
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