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Vol.349 悲しきウルトラマンショー 〜弱い者いじめのまるで小泉劇場〜
先日のこと。ニュース風情報番組を見ていたら、途中で画面が切り替わり、「ウルトラマンショー」の映像が流された。(正式にはウルトラマンフェスティバルだったかもしれない)
ステージでは、一頭の怪獣を、何人ものウルトラ兄弟が取り巻き、寄ってたかってやっつけていた。
これを見て、子供の頃にぼくが見てきた初代ウルトラマンやウルトラセブンといったウルトラ兄弟の精神が、すっかり失われて、堕落していることに悲しみを覚えた。
ウルトラマンの精神とは、たった一人でも正義のために戦うというものだった。ウルトラマンが強い怪獣にやられそうになる時も、人間(=ウルトラ警備隊)は指をくわえて見ているしかなく、たった一人で戦うウルトラマンに冷や冷やし、感動したものだ。
つまり「正義を守るとは孤独な戦い」ということを、子供にもわかるように作られた優秀な作品だったのだ。
しかし、このウルトラマンショーでは、たった一頭の怪獣を、ウルトラ兄弟が集団で倒すというものだった。言い方を変えれば、弱い者を大勢で殴る蹴るの集団暴行だ。
プロデューサーは誰か知らないが、その人は初代ウルトラマンとウルトラセブンの全作品を目を皿のようにして見るべきだろう。
そのウルトラマンショーが、数の暴力で少数意見を寄ってたかってブッ潰した小泉劇場と全く同じ構造であることに気づくはずだ。
松井政就
'09,8.24
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松井政就(まつい・まさなり)
作家。長野県下伊那郡阿智村立会地小学校早退。
主な作品:
★『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社プラスアルファ新書) ★『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) ★ 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 ★『ディーラーホースを探せ』 ★『経済特区・沖縄から日本が変わる』(以上、光文社) ★『神と呼ばれた男たち』等。 作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
http://tjklab.jp/ |
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