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Vol.356 急転直下のアメリカ出張 〜アヒルと白鳥はどう違う？〜
膝の調子はまだ悪いが、まあまあ順調に回復し、退院してリハビリをしていたところ、糖尿病の部長から電話がきて、
「一緒にリハビリしよう」
と言われた。
「リハビリって、頭のリハビリのことか？」
「馬鹿にしやがって」
散歩をしようという話だった。ぼくらはこの10年間、毎週のように長距離散歩をしているが、足を悪くしてからはお休みしていた。
実は、どっちみちリハビリを急がなければならなかった。来週から急にアメリカに出張しなければいけなくなったからだ。この足では普通は無理なのだが、アメリカ政府関係の仕事だったので、見栄を張って、つい、引き受けてしまったのだ。（ホントに大丈夫かな？）
さてと上野から歩き始めたが、まだスピードが出ないので部長との差が開いていく。途中で立ち止まって待ってくれてはいるのだが、追いついて一緒に歩き始めても、また差が開いていく。
前方に不忍池が見えたので、部長は「あそこで待っているから、ゆっくり来てくれ」と先に歩いて行った。
遅れて到着すると、池の縁でエサをもらっているアヒルを見て、部長は不安げな顔をした。
「アヒルと白鳥って、見分けがつくか？」
つくに決まっている。
松井政就
'09.10.1
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松井政就（まつい・まさなり）
作家。長野県会地小学校早退。
主な作品：
★『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』（講談社プラスアルファ新書） ★『賭けに勝つ人 嵌（はま）る人』（集英社新書） ★ 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ１億円以上！なぜ？』 ★『ディーラーホースを探せ』 ★『経済特区・沖縄から日本が変わる』（以上、光文社） ★『神と呼ばれた男たち』等。 作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
http://tjklab.jp/ |
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『ギャンブルには
ビジネスの知恵が詰まっている』
講談社＋α新書
松井政就・著 |
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松井政就著
「NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ１億円以上！なぜ？」 |
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松井政就著 集英社新書
「賭けに勝つ人 嵌（はま）る人」 |
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