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Vol.357 危ない航空会社 〜急転直下のミシシッピ その(1)〜
アメリカのミシシッピ流域に取材に行ってきた。
今回の旅は現地政府からの招待。 飛行機からホテルから、何から何まで用意してくれて、こちらは思う存分取材させてもらえるということで、一見するとラッキーなように思われがちだが、実は正反対。 お金を向こうが全部負担してくれるということは、それ相応の責任も負うということ。 生半可な気持ちで引き受けるわけにはいかない。
自腹なら失敗しようが遊ぼうがこちらの勝手だが、招待となるとそうはいかない。 先方が期待する仕事をしなければいけないという気持ちはあるが、だからといって、真実を見る目を曇らせては本末転倒だ。
つまり、どんなに手厚く接待されても、事実を曲げて書くことはしないで、書き手としての責任を全うしなければならないのだ。それが先方への礼儀だし、読者に対する責任だ。
などと偉そうなことを言っても、しょせんぼくに出来ることなどたかが知れている。ぼくの目を通したありのままを書いていくしかない。
さて長い前置きになったが、日本を出発した初日に、書くべきことが早くも持ち上がった。それは搭乗した飛行機でのこと。
一つは座席の背もたれにかけてある筈の頭の当たる部分の「白い布」が廃止されていたことだ。前回乗った時には使用されていた。
乗務員に質問したら「詳しい理由はわからない」としか答えない。まあコスト削減なのだろうが、その頭の当たる部分が実に汚らしくなっていた。
もう一つは改めなければいけないサービスのこと。
ぼくの座った席の真ん前には2つの席を一人で使用している白人男性がいて、バカでかい音で音楽を聴きながら座っている。 しかも、その男性にだけ、他の乗客よりも常に最優先でアルコールや食事が出されていたのだ。
誰だ?と思って調べてみると、その男性は客室乗務員の夫だということがわかった。つまり、一般客を差し置いて身内にばかり手厚いサービスをしていたというわけだ。しかも当人はヘッドホンを大音量で鳴らしている。 他の客がうるさいと主張しても、客室乗務員は注意すらしない。
あの航空会社は早晩危ない事態に陥るだろうとぼくは思った。
一応証拠写真を載せておく。
松井政就
'09.10.17
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松井政就(まつい・まさなり)
作家。長野県会地小学校早退。
主な作品:
★『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社プラスアルファ新書) ★『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) ★ 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 ★『ディーラーホースを探せ』 ★『経済特区・沖縄から日本が変わる』(以上、光文社) ★『神と呼ばれた男たち』等。 作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
http://tjklab.jp/ |
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