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Vol.358 レッドディザイア1着をこっそり教えたJRAの大サービス 〜菊花賞でも目を凝らそう〜
秋華賞では1番人気のブエナビスタが、ゴール前でハナ差の勝負(2着)に持ち込みながら、進路妨害で3着に降着となり、いずれにしても勝つことができなかった。
もっと早く追い始めていれば、コースをもっと外に取っていれば、などとレバ・タラの話がレース後に聞かれたが、当日の浅草ウインズでは、全然知らない顔も見たことがないオジサンたちがレース前にぼくを取り囲み、「レッドディザイアが勝つ」という大合唱となった。
なぜかというと、ぼくがデジカメで撮影していたJRAの秋華賞ポスターに、彼らも気づいたからである。
そのポスターがコレ。俳優と女優がベンチに座っている何の変哲もないように見える写真。
じつはこの写真は、(そんな言い方があるかどうか知らないが)すごい変哲があったのだ。次の写真を見てほしい。
これは俳優が手にしている新聞を拡大したものだ。ここにハッキリと、
「悲願の初タイトルなるか!!」
と、書かれているのだ。
桜花賞、オークスの春G1ともに勝ったと思った瞬間に数センチの差で2着に負けたレッドディザイア以外に、「悲願の初タイトル」に該当する馬はいなかった。
ぼくがこの部分を証拠写真として接写していたところ、後ろで見ていたオジサンたちがこのメッセージに次々と気づき、「おっ!兄ちゃん、すごいの見つけたなー」と騒ぎだした。
「シーッ!!」
人差し指を口に立てたが後の祭り。ぼくだけ密かに楽しもうと思っていたが、すぐにまわりに広まってしまった。
「勝つのはレッドディザイアだ〜!」
酒臭い息を吐きながらはしゃぐオジサンの目は、ぜんぜん笑っていなかった。
松井政就
'09.10.19
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松井政就(まつい・まさなり)
作家。長野県会地小学校早退。
主な作品:
★『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社プラスアルファ新書) ★『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) ★ 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 ★『ディーラーホースを探せ』 ★『経済特区・沖縄から日本が変わる』(以上、光文社) ★『神と呼ばれた男たち』等。 作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
http://tjklab.jp/ |
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