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Vol.360 スター選手への思い 
〜公平な目ならもっとフィギュアは面白い〜


 
浅田真央選手への応援メッセージをまた、たくさんいただいた。 本来の調子が出なかった真央選手について、みんな心配していたが、いずれも真央選手を応援する叫びに違いなかった。

 フィギュアスケートはスポーツ性と芸術性の戦いのため、他の競技と違って「好み」が存在しやすく、判断が難しい。 
 記憶に残る選手もたくさんいる。日 本でも人気のキャンデロロ選手は、優勝はできないけど観客を熱狂させる天才だったし、スイスのルー選手のスピンは人間業とは思えないほどの、日本人がまだ 見たこともないような超高速スピンで、あっけにとられた記憶がある。それはいまランビエール選手に脈々と受け継がれている。

 選手の持ち味はそれぞれなのだが、ファン心理としては、どうしてもひいきの選手に勝ってほしくなるもの。だから
(ぼくなんか特にそうなのだが)「あそこをこうしたら」などと、つい口出ししたくなる。そうやって実際に選手に意見を言ったこともあるが、ばかなことをしたと思う。
 スター選手はプロフェッショナルの極みである。彼らのやることを、静かに見守ることが、あるべきスポーツファンの姿なのだろうと、今日目覚めて、改めて思った。

 ぼく自身、今は一番フィギュアを楽しめている。それは、全ての選手の演技を公平に見られるようになったからだ。
 個人的にはそりゃーもちろん真央選手が勝ってくれるのが一番だ。しかしライバルが失敗して勝つのではなく、どちらも最高の演技をして、最高と最高がぶつかりあうのを見たいのだ。
 だからバンクーバーまで応援にいくのだ。

 '09.10.28

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