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Vol.414 海鮮料理屋の店長が激怒した理由 〜教わった謎の広東語〜
先日、知り合いが香港に転勤になり、呼ばれて遊びに行ってきた。
彼が仕事している間、ぼくはトラム(路面電車)に乗って香港島をぐるぐる巡って遊び、ビクトリアピーク(有名な山)に登って遊び、フェリーに乗って遊んでいた。
途中で闇市みたいなところを見つけたのでウロウロしていたところ、料理を食べていた人が広東語で何か言うと、同じものを食べていた人も「そうだ、そうだ」という感じで盛り上がっていた。
そこで、「今なんて言ったのか?」と(英語で)訊いてみると、
「気に入った! また食べに来るよ」
という意味だと教えてくれた。
これは便利な広東語だと思い、覚えようと思った。そこで、頼んで何度かしゃべってもらい、ぼくがそれをおうむ返しにすると、そばにいた人がバカに受けていた。
その晩、友達と落ち合ってハッピーバレーの海鮮料理屋で食事をしたら実においしく、「あの広東語を使うチャンスだ」と思い、帰りがけにさっそく店長に使ってみた。
すると、ニコニコしていた店長の顔が引きつり、
「わかったから早く帰れ」
というような感じで、追い出された。
褒めたのに変だなと思いながら店を出ると、友達が訊いてきた。
「どうしてあんなこと言ったんだ?」
「おいしかったからだよ」
「いったい誰に教わったんだ?」
「闇市の人だよ」
「どういう意味だと思う?」
「『気に入った! また食べに来るよ』って意味だろ?」
「違うよ 『お前の顔はどうしてそんなにデカイんだ?』って意味だ」
松井政就
'10. 6. 2
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松井政就(まつい・まさなり)
作家。長野県阿智村会地小学校早退。
主な作品:
★『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社プラスアルファ新書) ★『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) ★ 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 ★『ディーラーホースを探せ』 ★『経済特区・沖縄から日本が変わる』(以上、光文社) ★『神と呼ばれた男たち』等。 作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
http://tjklab.jp/ |
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