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Vol.447 命がけの有馬記念 〜神様はぼくに「来年も生きていていい」と言った〜
有馬記念が終わった。
いろいろ苦労した年で、ぼくにとっては、かつてないほど厳しい一年だった。
そんな年の最後に、一体どんな結果が待ち受けているのか、まるで自分の運命を占うような気持ちで臨んだ有馬記念だった。
大本命のブエナビスタは圧倒的な人気。問題は相手探しというように各メディアは報じていた。
確かに、最も強い者が強さの通りに勝つのもいい。
しかし、そうではない者が、少ないチャンスを生かして、最強の者を負かすのもまた勝負の醍醐味である。
この一年、悲しくなるほどツライ一年だったぼくは、後者のケースに賭けることにした。
ぼくの勝負馬券は「1番ヴィクトワールピサ単勝」と1番から7番ブエナビスタへの「馬単1→7」だった。
この2枚の馬券に全てを賭けることにした。1番が1着なら勝ち。2着では全てがゼロとなる勝負だ。 外れたら希望を失い、来年を迎えられないのではないかとぼくは思っていた。
レースが最後の直線に向き、1番ヴィクトワールピサが先頭に立った。しかしそれからの記憶がなぜか飛んでいる。最後にブエナビスタが追い込んで来て、ゴール板で2頭が鼻づらを並べたところだけ覚えている。
1,2着は写真判定となり、数分後、電光掲示板の1着に「1」が灯った。
2頭の着差は、たったの2cmだった。
神様から、「来年も生きていていいぞ」と言われたような気がした。
でも2cm差だから、神様もぼくを生かそうかどうか、最後までかなり悩んだのだろうと思った。
というわけで、みなさん、来年も生きていることになりましたので、よろしくお願いします。
<ぼくの有馬記念の馬券>
松井政就
'10.12.27
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松井政就(まつい・まさなり)
作家。長野県阿智村会地小学校早退。
主な作品:
★『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社プラスアルファ新書) ★『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) ★ 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 ★『ディーラーホースを探せ』 ★『経済特区・沖縄から日本が変わる』(以上、光文社) ★『神と呼ばれた男たち』等。 作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
http://tjklab.jp/ |
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