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Vol.460 放射線防護服はどれくらいの効果があるのか
福島第一原発の状況についてはいつも祈るような気持ちだ。
一方、いつまでたっても他人事のようなコメントを繰り返す政権と東電経営陣。しかも東電は、自分に都合の悪い情報をHPから削除してしまった。
これだけの大惨事を引き起こしておきながら、この期に及んで情報隠蔽と責任回避に終始する東電という会社に、責任感のかけらも見いだすことはできない。怒りではらわたが煮えくりかえる。
原子力工学が専門で、某原発メーカーに勤務している同級生から、放射線の種類と放射線防護服の効果について聞いた。
==放射線の種類と防護服の効果==
被曝は2種類。
1)内部被曝
→放射線物質を体内に吸い込んで、体内から受ける被曝
2)外部被曝
→@放射線を直接に体に浴びる被曝
A体外に付着した放射性物質が皮膚上で放射線を発しそれが体にあたる被曝
内部被曝はマスクをつけ、体を覆えば防げるが、問題は外部から浴びる放射線。
原発まわりの放射線の種類は、おおむね、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線に分けられる。中性子線は特に炉心に近づいた場合に問題になる。
問題なのは特に次の3つ。
ベータ線 →金属(数mm以上)でないと防げない。
ガンマ線 →数cm以上の厚い金属でないと防げない。
中性子線 →水と数十cm以上のコンクリートでないと防げない。
テレビでよく見かける、雨合羽みたいな「簡易な放射線防護服」は、内部被曝とアルファ線を防御するだけ。ベータ線、ガンマ線、中性子線については雨合羽と同じで無力。
分厚い放射線防護服もあるが、それでも、ベータ線までをいくぶん減衰できるだけで、ガンマ線と中性子線は防御できないとのこと。
つまり、防護服を着ても、放射性物質の体内取り込みを防ぐ以外は、実際は気休めでしかない。
作業員たちは大変危険な環境で努力をされているのだ。その決死の作業が何としても奇跡につながってほしいと祈るばかりだ。
松井政就
'11. 4. 18
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松井政就(まつい・まさなり)
作家。会地小学校早退。
主な作品:
★『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社プラスアルファ新書) ★『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) ★ 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 ★『ディーラーホースを探せ』 ★『経済特区・沖縄から日本が変わる』(以上、光文社) ★『神と呼ばれた男たち』等。 作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
http://tjklab.jp/ |
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