|
Vol.461 頭のおかしい男〜皐月賞で大穴は来るのか?〜
昨日、知人の個展を見に行き、その後打ち上げに参加した。
もちろん作品のことは話題になったのだが、地震が来た途端、話題は原発の話になった。
しかし原発の話をしていたら、みんなで怖くなってしまった。
「怖くて酒が飲めない。他の話にしよう」
話題は空き菅政権にシフトした。
ところが空き菅政権の話をしていたら、今度はみんな腹がたってきた。
「あの男の顔が思い浮かんで酒がまずくなる」
話題は競馬になった。
というよりも、ぼくが無理やりそうしたのだ。
「今週は皐月賞だよ」
「何を買うの?」
「これだよ」
ぼくが示した馬は、新聞で全く印がついていない馬。多分、10番人気以下だろう。
「こんなの来るんですか?」目の前に座っていた美女が目を丸くした。
「常識的には来ないでしょうね」
「じゃあ、なんで買うんですか?」
「来たらデカイからですよ」
「ふうん」
いきなり話題が途切れてしまった。
仕方ないのでチューハイをお代わりしていると、美女が、「当たったらどれくらい儲かるの?」
「もし1万円分当たれば200万円くらいになるよ」
女は目をハートマークにして、「えっ?えっ?200万円! 松井さん幾ら買うの?」
「100円」
「たったそれだけ?」
「うん」
「それじゃ当たったって2万円にしかならないじゃん。お金ないの?貸してあげようか?」
思わぬ展開になった。
すると隣の席で聞いていた男が言った。
「○○ちゃん、やめといたほうがいいよ。この人は頭がおかしいんだ」
ぼくの本命を聞いた9人中9人が「そんな馬、来るわけがない」と笑っていた。
これで、来ればデカイことはますますはっきりした。
松井政就
'11. 4. 23
|
|
松井政就(まつい・まさなり)
作家。会地小学校早退。
主な作品:
★『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社プラスアルファ新書) ★『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) ★ 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 ★『ディーラーホースを探せ』 ★『経済特区・沖縄から日本が変わる』(以上、光文社) ★『神と呼ばれた男たち』等。 作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
http://tjklab.jp/ |
|
|
|