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Vol.479 真夏の予感
打ち合わせからの帰り道、汗が流れ落ちてきてたまらないので、喫茶店に入ろうとすると満員。その隣の喫茶店も満員。
すると、
「カラオケ1時間100円です。入っていきませんか?」
と声をかけられた。すぐそばのカラオケボックスの店員だ。
「夕方7時までは1時間100円です。喫茶店がわりにいかがですか?」
「カラオケしなきゃいけないの?」ぼくは尋ねた。
「歌わなくてもいいです。お飲み物やお食事だけでもいいです」
「じゃ、入っていこうかな」
するとぼくと相前後して満員の喫茶店で断られていた営業マンらしきおじさんたちが、「ホントに休むだけでもいいの? 俺たちカラオケしないんだけど?」
「はい。歌わなくて結構です」
ぼくは小さめの個室に案内され、冷たいコーラを飲み始めると、おじさんたちが隣の個室に案内される音がした。
その直後、隣の部屋から派手なイントロに続いて歌声が聞こえてきた。
いかにも営業っぽい二人を見て、何となくそうなりそうな予感はしていた。
松井政就
'11. 8. 17
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松井政就(まつい・まさなり)
作家。会地小学校早退。
主な作品:
★『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社プラスアルファ新書) ★『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) ★ 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 ★『ディーラーホースを探せ』 ★『経済特区・沖縄から日本が変わる』(以上、光文社) ★『神と呼ばれた男たち』等。 作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
http://tjklab.jp/ |
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