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Vol.490 談志が死んだ 〜戒名の中に何とぼくの名前が!〜
立川談志が死んだ。
喉頭ガンを煩い、声を失うことだけはプライドが許さないと、最後まで声とともに戦ってあの世に逝った。かっこいい死に方だったと思う。
かつてガンで入院した際、東スポ(だったかな?)が見出しに「談志が死んだ」と書いた。上から読んでも下から読んでも「だんしがしんだ」で話題になった。それがあまりにおかしく、助かって出てきたことで、「やっぱり談志は死なない」とみんな思ったのだった。
その談志がホントに死んでしまった。
あの毒舌がもう聴けないとは悲しいと思いながらニュースを見ていたのだが、戒名が発表された瞬間、ぼくは仰天した。ぼくのペンネームと同じだったからだ。
談志の戒名は「雲黒斎家元勝手居士」。
なんという偶然か。ぼくは1986年から「雲黒斎」という名前で仕事をしていたのだ。
戒名が発表されると、それを知る友人から電話がかかってきた。以前勤めていた会社の社内報でも「雲黒斎」というペンネームでコラムを書いていたからだ。談志には何度も驚かされてきたが、最後の驚きは一生の思い出になった。
談志はかつてこう言った。
「ワイセツとか反社会的とか、
悪徳の匂いがしないと芸として面白くない」
ぼくはエロで社会性もないが、まだまだせいぜい小悪人のレベル。やはり談志の言う通り、悪徳の匂いをプンプンさせるような人間にならないといけないのかもしれない。
松井政就
'11. 11.25
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松井政就(まつい・まさなり)
作家。会地小学校早退。
主な作品:
★『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社プラスアルファ新書) ★『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) ★ 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 ★『ディーラーホースを探せ』 ★『経済特区・沖縄から日本が変わる』(以上、光文社) ★『神と呼ばれた男たち』等。 作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
http://tjklab.jp/ |
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