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Vol.497 希望 〜魅惑のマッサージ店〜
京成杯(G3)で万馬券が当たり、かなり久しぶりにご機嫌で歩いていると、ピンク色の白衣(ピンク衣と呼ぶべきか?)を着た女性が「マッサージしていきませんか?」と声をかけてきた。
正月以来全然競馬が当たらず、前日までなら即刻断っていたが、万馬券が当たったのでカネもチョットならある。でも、声をかけてきた女性がかわいいので、もしやと思い、尋ねてみた。
「もしかして怪しいマッサージ?」
「違いますよ〜。普通のです」
「じゃあ、やってもらろうかな」
中に案内されると、本当にフツーのマッサージ店。嫌らしいカーテンもないし、目の鋭い店長も出て来ない。ならば安心と、促されるままにベッドに横たわった。
彼女は顔に似合わず力もあり、かなり上手。先週まで馬券が当たらず凝り固まっていた全身がとろけるようにやわらいできた。
「気持ちいいですか?」
「うん。気持ちいい」
「何かご希望があれば遠慮なくおっしゃってくださいね」
「じゃあ、電話番号教えてくれませんか?」
「それ以外のご希望でお願いしまーす」
そういって彼女は指に力を込めた。
また行きたい。
松井政就
'12. 1. 15
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松井政就(まつい・まさなり)
作家。会地小学校早退。
主な作品:
★『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社プラスアルファ新書) ★『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) ★ 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 ★『ディーラーホースを探せ』 ★『経済特区・沖縄から日本が変わる』(以上、光文社) ★『神と呼ばれた男たち』等。 作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
http://tjklab.jp/ |
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