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Vol.519 凱旋門賞にアメリカ馬が出ない理由
凱旋門賞のゴールシーンを見て、ぼくは絶望的な気持ちになった。
「この馬でもダメなのか!?」
それがぼくの正直な気持ちだ。
優等生のディープインパクトでもダメ、怪物オルフェーヴルでもダメとなれば、もう手の打ちようがない。これ以上強い馬を作るなんて、凱旋門賞を勝つことより難しい。
今回は、はっきり言ってレースではもう勝てていた。それが、一度抜かした馬がゴール前で急によみがえって差してくるという、普通ではあり得ないことが起きた。
オルフェ以外の有力馬はすべて大敗しているから、オルフェが最強だったことは事実上証明されている。しかし外国馬が1着になることを、フランスは許さなかったということだ。
つまり、凱旋門賞を勝つのは、強いかどうかではなく、ヨーロッパの馬かどうかだということだ。
世界最強のアメリカ馬が絶対に凱旋門賞には出ない理由が、昨日わかった気がする。
2012. 10. 8 松井政就
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松井政就(まつい・まさなり)
作家。会地小学校早退。
雑誌記者、AVメーカーの事業プランナー、カジノプレイヤー、大学の講師、国会議員のスピーチライターなどの経歴をもつ。
・新聞・雑誌の連載に『競馬と国家と恋と嘘』(夕刊フジ)、『神と呼ばれた男たち』『パラダイスを探せ』『羅紗の女神』ほか。
・単行本に『賭けに勝つ人嵌る人』(集英社)『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社)『No.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』『経済特区沖縄から日本が変わる』『ディーラーホースを探せ』(光文社)『WHY
SHE IS SPECIAL?』『絶対に彼女には読ませたくない本』などがある。
http://tjklab.jp/ |
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