内閣府が出した「ポケモントレーナーのみんなへのおねがい♪」
スマホゲームの「ポケモンGO」がついに日本に上陸
アメリカでリリースされた直後に数千万人がダウンロードし、社会現象にまでなっているスマホゲームの「ポケモンGO」がついに日本に上陸した。その利用に際し、政府から異例の注意喚起も出されるなど話題は過熱しているが、ポケモンGOにより日本ではどんなことが起きるのだろうか。
さっそく遊んでみた
ポケモンGOは、任天堂、株式会社ポケモン、ナイアンティックの3社が共同開発したもの。スマートフォンの位置情報を利用し、ユーザーが外に出て移動することでポケモンを見つけ、それを集めるというゲームだ。
リリース初日にダウンロードし、さっそく遊んでみた。
スタートした直後から家の中にポケモンが出現し、それを捕まえるために時間を忘れるほどだ。とくにゲーマーでなくてもついハマってしまう面白さだ。
現実世界と融合したリアル宝探し
ゲームの歴史はリアル化の歴史と言ってもよい。かつて漫画チックだった世界が、コンピューターグラフィック(CG)などの進歩によって、表現はリアルに変わってきた。
だがそうしたゲームも、遊ぶのはあくまで端末の中に設定された世界に限られた。
ところがポケモンGOの舞台は自分が暮らすリアルな世界だ。一見何事もないような世界をスマホ越しに見るとそこにポケモンがいる。つまりゲームの世界とリアルの世界を意外な形で融合させたAR(拡張現実)で現代の宝探しとも言えるだろう。
ポケモンGOの巧みな戦略
ポケモンGOの戦略はゲーム界の盲点をつくものだ。それは第三者がビジネスとしてゲーム内容そのものを利用できるようにしたことだ。
例えばポケモンを意図的に発生させることなどだ。
あるハンバーガーショップで珍しいポケモンが発生するとなればユーザーは集まるだろうし、もしその店に一定時間滞在すればポケモンがゲットできるとなれば、ユーザーは滞在し、そのお店でハンバーガーを食べるだろう。
人の流れをコントロールできる
ポケモンGOでは、モンスターボールをゲットできる特別な場所を「ポケストップ」として設定したり、特定のキャラクターを特定の場所に出現させるなどで、人の流れをコントロールすることが可能だ。
大きなイベントなどが終わると、人が一斉に駅に殺到し、大混雑になることが多いが、その緩和に使うこともできる。一定間隔でポケモンが別々の場所に発生するようにすれば、一時的に人を分散させられる。
「ポケモンGOで選挙にGO!」
さらにこんな活用方法も考えられる。
日本では2016年6月から選挙年齢が18歳まで引き下げられたが、投票率が低いという問題を抱えている。
そこで若者の投票率アップのため、「ポケモンGOで選挙にGO」などと銘打ち、投票所にレアなキャラクターを出現させるといった使い方も十分にあり得るだろう。
現実とゲームの「価値の逆転」
こうなると、ポケモンGOのアイテム欲しさに現実社会での行動を決める「主客の逆転」が起きるかもしれない。
ハンバーガーショップなどでは、オマケ欲しさにその店に行くという現象は以前からあるが、ポケモンGOではそれがさらに広範囲でしかも極端なレベルで起きる可能性もある。
たとえば「食べ物はA店のほうがずっとうまいが、B店のほうがレアなポケモンが出るのでそちらに行こう」という、リアルの価値がゲーム世界の価値に負けるようなことが起きるかもしれない。
スマホ用ヘッドマウントディスプレイの発売も?
ポケモンGOのリリースに伴い、内閣サイバーセキュリティセンターから異例の注意喚起が出されるほど、その影響は大きいと見られている。
中でも、今でさえ問題となっている「歩きスマホの増加」が懸念されるが、その対策としてハードが開発されるかもしれない。
これはあくまで私の案に過ぎないが、「ポケモングラス」といったサングラス型のヘッドマウントディスプレイもあり得るだろう。
装着するとスマホの画面が現実世界と重なって見え、これなら歩きスマホのように視界が手元だけに狭まることない。
それとセットで加速度センサー内蔵のリストバンドをつけ、モンスターボールを投げるような動作をすると、その動きをセンサーが拾い、ポケモンGOのゲーム上でボールを投げることができる。このヘッドマウントディスプレイでまさに現実とゲームの世界が一つになる。
そうなると、今まで歩きスマホが溢れていた町に、今度はポケモングラスをした人が溢れるのかもしれない。
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