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                  | Vol.420 政治家だけが責任を負えばいいのか? 〜一般人という逃げ道〜 
 
 参議院選挙で民主党が惨敗し、自民党が盛り返し、みんなの党が大躍進した。
 
 この結果を見て、ぼくは不思議に思った。
 
 なぜならば、
 
 本質が何も変わっていないのに結果だけが変わった
 
 からだ。
 
 民主党の惨敗は、普天間問題の迷走や選挙直前の消費税アップ発言など、国民がわかりやすいマイナスがあったからだ。菅直人首相も、けんかの仕方を知らないことが露呈され、自滅に近い負け方だった。
 
 それはともかく、自民党の票が盛り返したことが一つの疑問。
 
 政権陥落以来、民主政権に文句を言うばかりで、実質的には何もしなかった10ヶ月。新しいことと言えば、小泉進次郎を党の顔として劇場型政治に戻したことくらい。
 それがなぜ盛り返したのか?
 
 もう一つの疑問が、みんなの党の躍進だ。
 
 たしかに、民主支持でも自民支持でもない人の受け皿になったのは事実だが、渡辺党首の言っていることは、国民が懲り懲りした小泉・竹中の新自由主義路線そのものだ。金持ちや企業家優遇、弱者切り捨てのあの路線に国民は懲りてNOを突きつけたのではなかったか?
 
 小泉・竹中と同じことを言っているのに、言っている人の顔が変わっただけで両手を挙げて歓迎するとは、どういうことだろう?
 
 一番気になったのは街頭インタビューを受けている有権者の声だ。
 
 彼らの多くは政治家をボロクソに言っていた。(極端にボロクソなのは放送でカットされている)
 
 何年かに一回、投票に行く程度で、責任を果たしたかのように思っているとしたら大きな勘違いだろう。
 一回投票したら自分の責任はおしまいで、あとは政治家に全部やらせればいいという考え方だから、いつまでたっても良くならないのではないかとぼくは思う。
 
 一般人という立場が、社会への責任を負わなくていい「逃げ道」にされている気がしてならない。
 
 
 松井政就
 '10. 7. 12
 
 
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                  |  | 松井政就(まつい・まさなり) 作家。長野県阿智村会地小学校早退。
 主な作品:
 ★『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社プラスアルファ新書) ★『賭けに勝つ人 嵌(はま)る人』(集英社新書) ★ 『NO.1販売員は全員フツーの人でした。でも、売上げ1億円以上!なぜ?』 ★『ディーラーホースを探せ』 ★『経済特区・沖縄から日本が変わる』(以上、光文社) ★『神と呼ばれた男たち』等。  作品作りの傍らカジノプレイヤーとして海外を巡るほか、ビジネスアドバイザー、大学での講師などもたまに務める。
 http://tjklab.jp/
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